連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。
早速夏休みが待ち遠しくなっているトメ子です。ごきげんよう。
毎度見る人を選ぶようなマニアックなネタばかりで恐縮ですが、今日のお題はこちらです。
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WW.II ドイツ軍 8.8cm砲 Flak37 簡易砲座タイプ
ミリタリー系のプラモ商品でたまに見かけるのがこの「Flak」。
第二次世界大戦期に活躍したドイツの高射砲です。
高射砲というのは文字通り「高所への射撃」を目的としており、敵飛行機を撃ち落とす為の対空兵器です。
同義語として高角砲、対空砲などがありますが、中身はほぼ同じと思って下さい。
さてさて。
このFlakですが何種類かある口径のうち88mm、通称「アハトアハト(ドイツ語で88の意味)」が最も有名です。
これは大口径かつ射程距離が長く、高い命中精度と連射性能を誇るということから連合軍パイロットの脅威となりました。
しかしFlakの面白いところは対空砲として優秀なだけに留まらず、
性能の高さ(特に高初速である点)を生かし、対戦車砲として活用されたという点に尽きます。
Flakが誕生したのは1928年。
第一次世界大戦で敗戦国となったドイツは1919年のヴェルサイユ条約によって、兵器開発を大幅に制限されてしまいます。
が、バレなければいいやと考えるのも世の常。ドイツの兵器メーカー・クルップ社は開発禁止とされていた高射砲の開発に取り掛かり……生まれたのがFlakの初期型、Flak18です。
18という型番は年号のことなのですが、これは
Flak18は1918年、ヴェルサイユ条約締結前に開発されたものだから、別に条約違反してませんよ という白々しい言い訳……もとい、政治的配慮が含まれてのものだそうです。
さて。このFlakがいかに対戦車戦に活躍したかという話です。
そもそも高速飛行する標的を狙うものですから初速が高く、それは高初速=貫通力が高いということを意味します。
開発当初から対戦車戦を想定していたのかは定かではありませんが、徹甲弾や対戦車榴弾といった弾種の豊富さもFlakの特徴でした。
故に敵戦車の頑丈な装甲もFlakならばブチ抜けたというわけです。
マチルダやB1といった連合軍の重装甲目標に対して有効打を与えたのは有名な話ですね。
余談ですが、対地攻撃に使われたFlakは地面を低く掘って設置することで敵からの発見・被弾率を下げていたそうです。高射砲は背が高いので地上からでは目立つというのがその理由だそうです。
そんなこんなで長々と書き連ねましたが、身も蓋もない言い方をすれば
飛行機用の大砲があまりによい出来だったので、
ついでに戦車もぶっ壊してみました\(^o^)/ というお話でした。
最後に。このFlakシリーズ、実は欠点に関する話をあまり耳にしません。
単に私が知らないだけかもしれませんが、
それだけ兵器として優秀だったのかな、とも思うわけです。
それでは皆様、よい週末をお過ごしください。
担当:トメ子@大口径ロマンチスト