●滑走路の長さに制限を受けず、無限ともいえる海面を利用Lて離着水できる飛行艇は用兵者にとって非常に魅力的であり、日本海軍もその能カを活かし、長距離、長時聞の哨戒や空輪を可能とする新しい機材の開発を練っていました。
●しかし、波やうねりへの耐性、滑走時の飛沫対策、離着水のための艇体形状からくる空気抵抗による劣速などなど、その運用に際しては課題が多くありました。
●開発の命を受けた川西航空機の菊原博士を筆頭とする設計チームは、上記の欠点を克服すべく発奮、当時の世界の同級艇を凌駕する性能をもつニ式飛行艇を完成させます。
●戦後テストを行ったアメリカ海軍を驚かせた波消し装置、通称『かつおぷし』など画期的なアイデアを盛り込んだ同艇の技術は戦後のPS-1、US-1/-1S、そしてUS-2にも受け継がれました。
●本号は川西の血統を継ぐ新明和工業からの資料も盛り込みつつ、同艇の技術的な側面からもアプローチし、この傑作飛行艦を撤底解剖します。どうぞご期待ください。

●カラー16ページ、モノクロ72ページ、全88ページ