──ビュイック「グッドイヤー・エアウィール」プロモーション・バス(アメリカ、1929) 第5の車輪

●グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニーは1929年、まったく新しいタイプのタイヤ、すなわち低圧タイヤを発表した。
●プレスリリースでは「マッセルマンタイプ」という名前でも掲載されたが、これは発明者であるアルビン・J・マッセルマンにちなんだものだった。
●グッドイヤー社は発明者から特許権を取得し、そのタイヤが特に航空機や重量物運搬車両に使用され、現状を打破するような画期的な進歩を期待していた。
●宣伝のため、同社は「...高さ12フィート、幅1フィート...」、つまり高さ3.6メートルの巨大なタイヤを用意した。

●このタイヤを全国に宣伝するために、工場は「Flxible Co」社に特別な車を作らせた。
●ベースとなったのは1929年に製造されたビュイック車で、シャーシを延長したものだった。
●特殊なバス構造は、乗客のための十分なスペースを室内に提供し、各列の座席は独立したドアによってアクセスしやすくなっていた。
●しかし、主な焦点はミニバスではなく、強大で大きな「エア・タイヤ」にあった。
●エア・タイヤは、後部に蝶番が付いたスイング・アームを介して、文字通り「第5の車輪」として後ろに引っ張られた。
●この車両はアメリカ24州をプロモーション・ツアーし、2年間走行し、その距離は12,000マイルを記録した。

●このプロモーションの成功はグッドイヤーの経営陣にも高く評価されたようで、同じビュイックの2台目が作られた。
●それ以来、この2台はアメリカ国内を共に走り続けた。