ご存じ、旧グンゼ産業の280Zレーシングの金型を使用した再発。元々は1970年代中盤のアメリカ・SCCAレースを戦ったボブ・シャープレーシングのS30をモデルに、当時はデカール違いで数々のバリエーションが展開されていた。
プロポーションはなかなか秀逸で、金型の状態も非常に良く、新たに追加された深リムのRSワタナベもカスタムとしてはいい味を醸し出しているが、タイヤはややファット。また、Gノーズのフロントヘッドライトカバーは付属しない。240ZGを気取るならリヤガーニッシュも初期型に修正が必要。一方、室内はサイドトリムはなく、そもそもモーターライズキットだったために不自然な位置まで前進しているフロントシートと大雑把なインストルメントパネルやステアリングなど、モデラーの腕の奮いどころとなるディテールの修正点は数多く、楽しめるキットだ。
もちろん、ストレート組みでもそれなりの雰囲気に仕上がるので、サンデーモデラーの方も気軽に手にして頂きたい、S30Zとしてお勧めの一品。 |