こちらは上の50勝達成レースに出場した、都平健二氏がドライブした車。豪雨に見舞われ、わずか12周に短縮された決勝レース当日、優勝車を上回るペースでレースをリードしていた。KPGC10のイメージカラーともいえるグレアシルバーにホワイトのフロントフード、ミントグリーンのボディパーツの取り合わせが印象的な一台。こんな楽しみ方ができることもこのキットの素晴らしさである。
こちらはあまりにも有名な50勝達成車。バリ展で別デカール付属のものも出ているのだが、このデカールのブルー部分の色合いが少し濃く違和感があることに加え、再発から遠ざかっているせいでフジミの劣化しやすいデカールがまともに使えることはほぼないので、ストライプ部はマスキングで塗った方がこのキットの場合、完成後の満足度は高い。この時代のレーシングカーの例の漏れず、それほど複雑だったり白抜きデカールが必要な訳ではないので、データ作成ができるモデラーなら自作デカールで対応するのが賢明。逆にいえば、それができれば、やろうと思えばGT-R50勝の軌跡をモデリングで追うこともできる訳で、なかなか夢のあるキットである。
同じく 1971年「日本GPレース」TS-bクラス2位のKPGC10を再現したキット。デカールはこの2台のうち1台の選択式。各戦毎のディテールの変遷も勿論だが、同じレースに出場したマシン毎のディテールの違いを追いかけるのも非常に興味深い。1/24 KPGC10のキットも、アオシマ(旧イマイ)、タミヤのものがあるが、他の方がおっしゃっているように、当時の村山製ワークスカーを再現できるのはこのキットのみで、72年シーズンのいわゆる"フルワークス"ボディを用意しているのもフジミのみ。多少冗長な点もあるものの、プロポーションやディテールに時代を感じる旧イマイ製や、ディメンションにやや大袈裟なデフォルムが加えられたタミヤ製より、完成した佇まいははるかに自然だ。そういう意味でも貴重で、手掛ける度に、企画したフジミには頭が下がる想いである。
通算52勝 のレースの中でも、最も KPGC10 が光り輝いた 1971年「日本GPレース」TS-bクラスウィナーを再現したキット。当時のグランチャンピオンシリーズ参戦車のトレンドだった、グリルレスにヘッドライトカバーのフロントグリルやオイルクーラー&ホース、リヤスポイラー、テールランプガーニッシュレスのバックパネル、ストリップダウンされたインストルメントパネルやサイドトリム、チンスポにリヤスポ、シート、サイド出しのデュアルエキゾースト、そしてなんといっても、RSワタナベとは微妙にデザインが異なる、正確にディティールまで再現された神戸製鋼製10Kマグネシウムホイールなどの新規部品が追加されていることは特筆すべき点。ここまで本格的に当時の村山製ワークスカーのディティールにこだわったキットは未だかつて存在しなかった。とはいえ、村山製ワークスカーを再現するにはディティールをかなり修正する必要があるが、各戦毎のディテールの違いにこだわりつつ、この価格であの伝説を手に入れることができることを考えれば非常にコストバリューは高い。モデラーならぜひ一度は手掛ける価値がある逸品。
ちょい高くなってますけどレース仕様が組めるのはフジミさんだけですいいキットです^^